此冬は殊更に寒さが身に沁みる。
豪雪のニュースを見る度に住民の皆さんのご苦労を想う。

 

同世代の老人が大雪の中、玄関までの通路作りに精を出しておられる姿を見るにつけ、寒さを理由に家ごもりでダラ~としている我身を後ろめたく感じ、私なりに努力しなくてはと考えた。

年末年始に体力も忘れて幾度も餅をつき、昔乍らのコンニャク作りに励み、姉妹、友人へと送った結果、右手首の腱鞘炎
指や腕に力を込めると痛い。

7月2日から天満屋岡山本店での染色展の為、可愛い振袖をと白生地に図案を描く工程までは進んでいるが、腕の見せ所である糸目糊置作業の前で止まっている。
もう一週間待てば手首の状態が良くなるのでは、と期待している。

それでも何もしないのも心急く、もうすぐ春、春は草木が芽吹き、自然の染料が成長し始める。そこで草木染の準備をと思い立った。
伸びて来た開花前の紅梅の枝を切って紅色のスカーフを作ろうと絹の布に巻き上げ絞りを施す。

筍に出合の山椒は実と若葉で佃煮を作るのがピリ味を和らげる為、最初の煮汁を捨てる。
その煮汁が最高の染料になる。
渋めのグリーンで堅牢。季節になると直径2尺の竹ザルに山盛の実を葉を採取、一日がかりで選別、根気の要る作業だが、山里に住めばこそのぜいたく染を今年も試みようと、縫い絞ったスカーフに稲縄に巻き付ける、変り雁木竜巻絞りに取り組んでいる。