加齢と共に体力の衰えを感じ、染法が難しく、昔からの染の家では一子相伝だったりで、一般に正しい染め方が普及していない。

紫根染めを若い人に伝えておきたいと10名限定のワークショップを開いた。
手間と体力、根気を要する作業故、若い人の希望が無く、80才代が大半の受講者だった。

 

それでも40才代、60才代が各1名で熱心に学ばれ、ほっとしたが、染上った布の色が微妙にちがう。

大量の染材だったので、翌日一人でもう一度揉み出し染液を作り、染めてみた。
前日の色と異なり、はんなり深みを帯びた紫が出た。

以前、若い男性三名で行う揉み出しの作業を中年だった私が一人で行い、絞りの着物を染めたが、先ずひどい肩こり、次に歯が浮き、痛み、半年後に奥歯を一本失うのが常だった。

良い色を出すのは気力とパワー!
若い二人より私の方が強いの??

 

津山市内にある小さな学習塾から草木染を教えて、と私の染色教室の生徒さんに依頼が来た。

どうしたら良いのか?
と相談を受け、経営の方も軽く考えておられるのではないか、と思い、私が教えに行くことにした。

岡山県内で間違った草木染が広く行われており、公立大学や県立高校でも、とんでもない授業が行われている現状を情無く感じている。
子供であろうと初めから正しい知識を身につけて欲しいので、沢山の荷物持参で伺った。

失敗の少ない板締め絞りの藍染、児童5名、母親3名の参加
黙々と作業に挑み、児童5名それぞれ異なるデザインの良いスカーフが染め上がった。
母親の皆さんにはこだわりが有ったようでまぁまぁの作。

只、最初の草木の種類によって、こんな色が出ると染めた布と植物を手に説明したのだが、誰も内容を覚えていなかったのが残念だった